2017年7月12日水曜日

「残業代ゼロ」政府案修正へ 連合の要請を反映


 政府は、専門職で年収の高い人を労働時間の規制から外す「高度プロフェッショナル制度」を盛り込んだ労働基準法改正案を、連合の要請を受けて修正する方針を固めた。働き過ぎを防ぐ対策の強化を求める連合の要請を受け入れ、月内にも政府、経団連、連合が「政労使合意」を結んだうえで、今秋の臨時国会に改正案を出し直す見通しだ。
 政府は同制度の導入を盛り込んだ労基法改正案を2015年4月に国会に提出済み。経済界が強く導入を求める一方、野党や連合が「残業代ゼロ法案」「長時間労働を助長する」などと強硬に反対し、一度も審議されていない。3月にまとまった「働き方改革実行計画」は、改正案の早期成立を目指すと明記。政府は今秋の臨時国会で審議する方針を示していた。政府は、民進党の最大の支持母体である連合の修正案を取り込むことで、臨時国会での成立を目指す。ただ、連合執行部の突然の方針変更に対し、組織内や民進党から異論が噴出している。
 連合の神津(こうづ)里季生(りきお)会長は近く、安倍晋三首相と会談し、同制度の健康確保措置を手厚くするよう政府に要請する。具体的には、年104日以上の休日取得を企業に義務づけることに加え、労働時間の上限設定▽終業から始業まで一定の休息を確保する「勤務間インターバル制度」の導入▽2週間連続の休日取得――といった働き過ぎ防止策の中から複数の実施を求める。
日本労働弁護団が開いた緊急集会には労組関係者ら約100人が集まり、法案反対を表明した=2015年4月3日、東京都千代田区

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