2017年4月21日金曜日

光免疫療法(近赤外線療法)の治験進む!5年後に9割のがんが完治する時代が来る

引用元:
http://genkinurse.com/archives/1774.html


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2017年、新年早々モーニングショーで、大方のがん
を根治できるかもしれない光免疫療法(近赤外線
免役療法)のすばらしい
情報が放送されました。
米国立衛生研究所(NIH)の主任研究員である日本人
・小林久隆(55)氏を中心とする研究グループが
近赤外線を使った画期的ながん治療法である
光免疫療法(近赤外線免疫療法)を2011年に開発
しました。
それから5年後の2016年4月に、アメリカ食品医薬品
局(FDA)から認可され、臨床試験(治験)が開始
されました。
治験の第1相で安全が確認され、いよいよ第2相に
進み、光免疫療法の効果を確認する段階ですが
今のところ思った通りの効果がでているそうです。
2~3年後にはアメリカで少なくとも薬として認可されたい
とのことなので、日本で認可されるにはさらにその2年後
ぐらいになるでしょう。
光免疫療法が日本で実施できるのは早くて5年後になります
が、それほど遠い未来ではありません。
今、がんを持っている人も、なんとか5年がんばれば、がん
を根治できるかもしれないのです。
光免疫療法について、放送された内容や、調べた内容を
わかりやすく、くわしく説明します。
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◆光免疫療法の脅威の仕組み

❖光免疫療法とは

光免疫療法とは簡単に言うと、まず身体に害のない近赤外線という光
で、がん細胞だけを破壊します。
その後、こわれたがん細胞を免疫細胞が食べることで、免疫細胞がその
がん細胞を異物と認識し、生きているがんも食べるようになります。
しかし、がん細胞は、制御性T細胞を周りに集めて免疫細胞にブレーキ
をかけ、邪魔をして生き延びようとします。
そのため、制御性T細胞も近赤外線を当てて破壊することにより、
免疫細胞のブレーキが解除されてがん細胞を食べつくし、がんを根治
することができる画期的な治療法です。
臨床試験でも副作用がほとんどなく、費用も現在話題のオブジーボより
2桁も安価だとのことです。
このように書くと簡単なようですが、少なくとも、次の3つの方法が
必要です。
1.がん細胞だけを識別する方法
2.がん細胞をやっつける方法
3.免疫細胞の働きを邪魔する制御性T細胞をやっつける方法
です。1.2.3.について説明していきますね。

❖1.がん細胞だけを識別する方法

免疫細胞は、自分か自分でないか見分けることができる能力を持つ
細胞です。
正常な細胞ががんになると、がん細胞は自分ではなくなります。
するとがん細胞が抗原となって、それを体から追い出すために抗体
が作られます。
ウィルスや細菌の抗体は抗原にくっついてウィルスや細菌を不活
性化して破壊しますが、がん細胞は抗体がくっついても死にません。
この抗体は特定の抗原(がん細胞)にしかくっつきませんので、
くっついた抗体が、がん細胞だけを識別する目印になります。
こうしてがん細胞だけを識別して、がん細胞だけをやっつけます。
現在がん細胞にくっつく抗体は40種ぐらい判明しているとのこと。

❖2.がん細胞をやっつける方法

がん細胞だけをやっつけるために、がん細胞にだけくっつく抗体に
IR700という色素の一種を結合させます。
一般的に、抗体にIR700を結合させて、近赤外線を当てると、抗体に
くっついているがん細胞の表面に傷がつくのです。
そこで、抗体とIR700を結合させた液体(青色)を静脈注射で体内
にめぐらせると、抗体はそのがん細胞だけにくっつきます。
そこへ近赤外線を当てると、抗体のくっついたがん細胞だけの表面
が傷つき、1つの細胞に約1万個の傷がつくと、周囲の水分を吸収
してふくらみ続け、約1分で体積が2倍になり破裂して死ぬのだ
そうです。
こうして破裂したがん細胞を免疫細胞(キラーT細胞)が食べて、
がん細胞が自分ではないことを学習し、さらに生きているがん細胞を
攻撃し始めます。

❖3.制御性T細胞(Treg)をやっつける方法

しかし、免疫細胞(キラーT細胞)ががん細胞を攻撃し始めると、
制御性T細胞(Treg)が、キラーT細胞にブレーキをかけます。
制御性T細胞は、免役細胞が健康な細胞まで攻撃しない
ために存在しているそうですが、困った存在です。
がん細胞が体の中で増殖するのは、この制御性T細胞を自分の周り
に集め、免疫細胞の働きにブレーキをかけ邪魔するからです。
そこで小林久隆氏の研究チームは、制御性T細胞にくっつく性質が
ある抗体に、やはりIR700を結合させ、がん細胞をやっつけるのと
同じ方法で、近赤外線を当てて、制御性T細胞をやっつけます。
その結果、免疫細胞にブレーキをかけるものがなくなり、
キラーT細胞は、がん細胞を食べ続け、転移したがん細胞をも
やっつけてくれるのです。
オプジーボも、制御性T細胞をやっつけて免疫細胞のブレーキを
解除する方法ですが、元のガン細胞のかたまりをやっつけないので
ずっと使用し続ける必要があり、費用が光免疫療法より2桁も高価
になります。
{訂正}制御性T細胞とはキラーT細胞にブレーキがかけられたもの
で光免疫療法は制御性T細胞そのものを破壊しますが、オブシーボは
制御性T細胞のブレーキをはずして、キラーT細胞を活性化する薬です。
従って、「オプジーボも、制御性T細胞をやっつけて」というのは
間違いでした。お詫びして訂正させていただきます。
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◆近赤外線の効力の範囲

光免疫療法に使用される近赤外線とは
波長がおよそ0.7 – 2.5 μmの電磁波で、赤色の可視光線に近い波長
を持つため性質も可視光線に近く、「見えない光」として、赤外線
カメラや赤外線通信、家電用のリモコンなどに応用されています。
光免疫療法では近赤外線が身体に通るのは2~3cmですが、
光ファイバーの針を使うことで、15cmの深さまで効力を発揮しま
すから、ほとんどの内臓に照射できるそうです。
手術をした時にはより効果的に使えますとのこと。

◆光免疫療法の現状と将来

光免疫療法は、2016年4月に、アメリカ食品医薬品局(FDA)に認可
され、同年6月に第1相の臨床試験(治験)が始まりました。
第1相の安全性の治験では大きな副作用はなくクリア。
現在第2相の効果の治験実施中です。効果は思った通りに進行中
とのこと。期待できますね。
現在治験は、口の中から喉が主で、舌がん、口腔内がん、咽頭がん
喉頭がん、頸部食道がん上部について治験しています。
がん抗体は20種類、制御性T細胞の抗体は2種類認可されており、
これだけで、8割から9割のがんに効果が望めるそうです。
ただ脊髄のがんは難しく、まだ問題があるとのこと。
現在はがん細胞をやっつけるための抗体と、制御性T細胞をやっつけ
るための抗体は別々に注射していますが、将来は混合して一緒に
すればより効果的になるそうです。

◆まとめ

身体に害のない、近赤外線でがん細胞だけを破壊し、
同じく近赤外線で、免疫細胞をじゃまする制御性T細胞を
やっつけることで、残った転移がん細胞を免疫細胞が
すべて食べてしまう。
こんな夢のようながん根治法が光免疫療法なのです。
しかも副作用がほどんどなく、費用がオプジーボより
2桁も安いというのです。
まだ脊髄などのがんには使えないようですが、他の8~9割り
のがんに効果があると言われています。
早ければ5年後ぐらいに日本でも実用化されるとのことですが
より早い実用化が待たれますね。
どれほど多くの人々の役に立つのかとわくわくします。
今がんをお持ちの方も、希望を持って頑張ることが
できるのではないかと思われます。

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