2015年10月7日水曜日

世界初、切らずに治す乳がん治療 早期乳がんの陽子線による単独治療の 1 例 目 を無事終了


一般財団法人メディポリス医学研究財団
一般財団法人メディポリス医学研究財団 メディポリス国際陽子線治療センター(鹿児島県指宿市、センター長:菱川 良夫)は、陽子線単独による早期乳がん治療(臨床研究)の一例目を無事終了しました。
 この患者は、平成27年6月16日に陽子線治療を開始し、同年7月23日に治療を終えており、終了後2カ月経過した現時点において特に問題は見られていません。
 早期乳がん治療は、現在、手術による切除が主な治療方法となっています。また、がん治療の大きな柱の一つである X 線治療は、手術を行わない治療ですが、X 線は身体を通り抜ける性質があるため、腫瘤を狙った X 線 が病巣の奥にある心臓や肺などの重要な臓器に放射線障害を及ぼしてしまい、10 年、20 年後に致命的な晩発障害を引き起こしてしまう可能性があり、X 線治療単独での早期乳がん治療はほぼ不可能といえます。

 一方、陽子線治療は、陽子線が病巣より奥に到達することがないようにエネルギーを正確に調整・加工することが可能であることから、心臓や肺などに影響を及ぼすことなく、安全に早期乳がんを治療することができます。 従来、早期乳がんは、乳房の固定が難しく病巣の位置を正確にとらえることができないこと、また、がん病巣が皮膚に近いために重篤な皮膚火傷が発現するリスクがあることなどから、陽子線による単独治療は困難と考えられていました。当センターでは、これらの課題を解決するために、画期的な乳房固定法を開発:3D プリンタを用いて患者の乳房に完全にフィットする装具の作製技術(特許申請中)並びに乳がんの位置を正確に捉えて治療できる高度な技術を確立し、新たな早期乳がんの陽子線治療の研究開発に努めてきました。
 
 併せて、従来のガントリー装置(あらゆる角度から照射できる陽子線治療特有の装置)を独自に改良し、複数の角度からであっても自動的に照射できる遠隔多門照射装置(特許申請中)を開発しました。今後、この装置を積極的に陽子線治療に利用していく予定です。
引き続き臨床研究を着実に積み重ね(1期 4例、2期20例)、乳房を切らずに早期乳がんを治す陽子線治療を一人でも多くの患者さんに少しでも早く提供できるよう精一杯努めてまいります


 

■「メディポリス国際陽子線治療センター」について
    平成23年1月11日に陽子線によるがん治療を開始し、前立腺がん・肺がん・肝臓がん(肝内胆管がん 含む)・膵臓がん・頭頸部がん・骨軟部組織がん・術後再発直腸がんなど、1,578 名のがん患者の陽子線治療を行っています(http://www.medipolis-ptrc.org/)。また、本乳がん研究は文部科学省の補助金を主体として5年間にわたり実施しております。
    当センターは、日本で13施設でのみで認証されているJCIを、2013年9月に取得し、現在も継続。認証されている「外来診療プログラム」のカテゴリにおいて日本で最も早い時期に、JCIを取得した医療施設です

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